アメリカでスポーツ観戦といえば、試合そのものだけでなく「テールゲートパーティー(Tailgate Party)」の存在が欠かせない。
スタジアムの駐車場でファン同士が集まり、試合開始前から飲食や交流を楽しむこの文化は、まさにスポーツとコミュニティが融合したアメリカらしい社交イベントだ。
テールゲートパーティーの起源と歴史
最初のテールゲートは19世紀の大学フットボールから
テールゲートパーティーの起源(参考)は、19世紀後半の大学フットボールにさかのぼる。1869年のラトガース大学対プリンストン大学戦が最初の例とされ、観戦者たちは馬車の荷台(=テールゲート)を開いて食事や飲み物を楽しみながら観戦していた。

NFL文化の拡大とともに全米に広がる
その後、アメリカンフットボール人気の高まりとともに、テールゲートはNFLの試合でも定着。1970年代以降には、スタジアムの駐車場で行う“ファン主導の祭典”として全国的に広がっていった。
テールゲートパーティーの魅力と文化的意義
テールゲートパーティーは、単なる飲み会ではない。そこには「チームへの忠誠心」や「地域コミュニティの結束」といった、アメリカのスポーツ文化の本質が詰まっている。

ファン同士の交流の場として
家族単位の小規模な集まりから、数百人が参加する大規模イベントまで形式は様々。ファンはユニフォームやチームカラーで装飾し、チーム愛を全身で表現する。試合前から熱気が高まり、駐車場全体が屋外フェスのような空気に包まれる。
テールゲートの準備も楽しみのひとつ
ポータブルグリル、スピーカー、テント、折りたたみチェアなどを持ち込み、数時間前から準備を始める。この準備段階から既に“パーティー”が始まっており、家族や仲間と過ごす時間も魅力のひとつだ。


実際のテールゲートパーティーの様子
定番フードと地元グルメが勢ぞろい
ハンバーガー、ホットドッグ、リブステーキ、バッファローチキンウィングなどの定番料理が並ぶ。ファン同士で料理をシェアしたり、自慢のソースやグリル技術を競ったりと、まるで料理フェスのような盛り上がりを見せる。

グッズ販売やアクティビティも充実
スタジアム周辺にはチーム公式の物販ブースやフードトラックが登場し、限定アイテムや地元クラフトビールが販売される。さらに、音楽・ダンス・コーンホールなどのアクティビティも行われ、試合前からお祭りのような雰囲気が広がる。
おすすめのテールゲートパーティー会場
ランボー・フィールド(グリーンベイ・パッカーズ)
NFL屈指の伝統を誇る会場。寒冷地でもファンの熱気は衰えず、地元のチーズやソーセージを使った料理が人気。
AT&Tスタジアム(ダラス・カウボーイズ)
最新のBBQ設備やキャンピングカーが並ぶ、ハイテク・テールゲートの代表格。初参加でも馴染みやすいフレンドリーな雰囲気が魅力。

オレンジ・ロット(ロサンゼルス・ラムズ)
西海岸らしい開放的な空気と、音楽フェスのような盛り上がり。インフルエンサーやセレブも訪れることで知られている。
大学フットボール会場(オハイオ州立大学、LSUなど)
学生やOBが中心となり、学園祭のような一体感が広がる。特にLSUでは地元料理ジャンバラヤやガンボを振る舞う伝統がある。


まとめ:スポーツとコミュニティが生み出す“もう一つの試合
テールゲートパーティーは、試合そのものと同じくらいファンにとって重要な時間だ。そこにはアメリカの「スポーツ=コミュニティ」という価値観が凝縮されており、観戦をより豊かに、そして人と人をつなぐ特別な瞬間を作り出している。
スポーツを愛するなら、一度は体験したい。スタジアムの外で始まる“もう一つのゲーム”、それがテールゲートパーティーである。

